| ●〈魔法のお店〉シリーズについて 西暦2002年は、わたしにとっては『魔法の迷い道』という、〈魔法のお店〉シリーズの最新作を書いて出版することが出来た、という意味でもとても大きな年でした。 この話はねぇ、わたしの書いた話の中で、もっとも設定が古いんです。最初に、魔女のカレンの話を書いたのは、まだ小学四年生くらいだった頃のことだわ。それがわたしが成長していくに従って、フィリップ・ホセ・ファーマーの・階層宇宙・シリーズやロジャー・ゼラズニィの・アンバーの王子・シリーズ等々のようなものに影響されていって、形を変えていったのが、今の〈魔法のお店〉の設定なのです。 だからねぇ。本当はもっと書きたいの。これの裏設定は山のようにあって。すごく世界も実は大きいのね。ローゼリアン、タ・ランス、セ・ムーゼ、それに地球、という大きな世界が接しているのがこの『魔法のお店』の世界です。 ※ローゼリアンは、神話の世界。ものすごく大きな世界で、地球といろんな場所で接しています。ここには、地球では怪異とされている生き物たちのすべてがいて、妖精・魔女・魔法使い・幻獣・ケンタウロスや人魚などの異種の者たち、西洋的なものとともに東洋的なものももちろんいて、たとえば、河童の一族などもこのローゼリアンには普通に住んでいます。魔女たちの多くはこのローゼリアンに住居を構えています。もっとも、魔女たちはここだけじゃなくて、いろんな場所にいますけれど。このローゼリアンでもっとも主立った種族は翼人族、と呼ばれている人々であり、翼の形はさまざまです が、大体の種族が翼を背中に持っていて、魔法がなくても飛ぶことができます。天狗も、翼人族の一種族です。天女も、翼は持っていないものの、翼人族の一種族だと言われています。 ※タ・ランスは形が定まらない不安定な世界。混乱と混沌だけがこの世界を支配しています。ここではいつ、何が起こるかわかりません。が、こんな世界を好んでいる種族もいます。小人族です。ここには小人族の他、その混沌のはざまに桃源郷を作って隠れ込んださまざまな種族の隠された都市があったりもして、いつ、どこに出てしまうかは予断が許されません。力を持つ魔女や魔法使いたちでも、タ・ランスについてはわかっていることが多くありません。 ※セ・ムーゼは、そんなに大きくはない世界です。ここは妖美族、と呼ばれる特殊な人々が住んでいます。妖美族はとても賢く、誇り高く、叡知に満ちた気難しい人々で、大きな力を持っています。妖美族は滅多なことでは、他の世界に干渉してはこないのですが、このセ・ムーゼで起こるさまざまなことは他の世界に影響してしまうことが多く、妖美族はこのセ・ムーゼこそがすべての原初の世界である、と語っていますが、本当のところはわかっていません。 ※銀河──地球。ここは人間族の世界です。ただし、人間がいるのは地球だけではなく、地球は人間が住んでいる場所としては、むしろ辺境にあります。銀河系の中心部には、もっと人間が多く住んでいる場所もあります。魔女カレンたちははそうした銀河のさまざまな人間が住む場所を行き交っていたりもします。でも、お話は主に地球から始まりますけれどね。 カレン・メイリン・レウィナ──この三人の魔女は、小学生の時にすでにわたしの心に住んでいました。ソーヴィにオーラジーン、摩由加に瑠璃亜……書けと言われれば、いつでもいくらでも書けるんですけれど。どうも……メジャーではないようです、この設定は。 正直の話、キャラクター主体の異世界ファンタジーに比べると、どうしてもこういう世界観のものは受け入れてくれる読者は少ないようです。どうしてなのかな。ハリー・ポッターとかはあんなに受け入れられるのにねぇ。ちょっと違うか(^_^;)。まぁ、わたしの力不足もあるのだと思いますが。 最初は講談社ノベルスと講談社文庫で、『魔法のお店』、『妖精たちの扉』の2冊が出ました。 次に、今はなくなってしまった双葉社のFUTABA FANTASYノベルズで『魔法使いの宮殿』が出ました。 ここでは、ツーラトゥーラとルーラローダの魔女姉妹とソルヴィーオン、それに、ローゼリアンのフォン皇国のテリィ皇子とリアンナ皇女、武官のロブ・ロイに、事件に巻き込まれる雪江とさなえ、というふたりの少女が出てきました。 そして、今度はエニックスのEXノベルスから『魔法の迷い道』が。 ここに登場したのは、最初の『魔法のお店』で活躍した、風渡摩由加と瑠璃亜の魔女姉妹……といっても、もっぱら活躍したのは瑠璃亜のほう。『妖精たちの扉』では中学生だった瑠璃亜は高校生に。そして、魔法使い志願のちょっと頼りない高校生の雅巳が現れました。ソルヴィーオンもちょっとだけ出てきます。 書きようによって、幾らでも書いていけるかも、と思うのだけれど。この『魔法のお店』が好きだ、と言って下さる読者の方もいらっしゃるので。なんとか気合いを入れて、また、書くつもりです。 ソルヴィーオンとオーラジーンの兄弟相克の話などは、匂わしているだけで、どんな確執があるかはまだ読者に全然説明してないって、この間、ふと気が付いたりしましたし。 ちょっといろんな世界を欲張って書き過ぎているのかも、わたしは。 でも、この世界にはすごく愛着があるのです。 |