『龍の七部族』シリーズ

『風雲の七公子』

『暁の攻防』

『碧星の娘』

『北の狼将軍』

『竜の地平』

朝日ソノラマ文庫 朝日ソノラマ・ 発行  



 その星は、成層圏からでも見て取ることができる、長大な壁によって、ふたつの世界
に分けられていた。
 壁は、『万里堰』と呼ばれた。かつてその星に現れた支配種による統治を良しとしな
かったその星の住民は、その『万里堰』を作ることで彼らを拒絶し、支配種に従属した
者たちを壁の外に放逐したのである。
 『万里堰』の内部には、七つの部族に分かれた、龍を駆る種族が住ま わっている。
晃(こう)、暁(ぎょう)、曜(よう)、曹(そう)、景 (けい)、晨(しん)、明
(めい)の七公家によって治められる、龍の七 部族である。
 『万里堰』を挟んで、七部族によって狄軍、と呼ばれる中央政府軍と 七部族はいつも
戦っていたが、その戦いの均衡は長い間、壊れなかった。
 その均衡がある日、崩された。
 晃家の砦、水方郭が、銀色の圧倒的に力 を持つ竜に敗れたのだ。
 父の死により、晃家の公子の称号である晃駿子の名前を継いだディオン は、〈銀竜〉
の攻撃により、目が見えなくなった妹、紅姫ルビアとともに 砦を脱出する。
 それが、歴史的な、龍の七部族・統合の時の、始まりだった。……